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2020.11.25
ペット関連

ペット事業主が顧問弁護士を活用すべき4つの理由

弁護士の中間は,一般社団法人 ペットライフデザイン協会 | PET LIFE DESIGN ASSOCIATION (plda.jp)の理事も務めております関係で,ペット事業主様向けのセミナーなどもさせて頂いております。

ペットトラブルの交渉,裁判も経験している中で,ペット事業を展開していくうえで法務リスクを放置してしまっている会社様,個人事業主様もおられました。

私のつたない経験ではありますが,ペット事業主が顧問弁護士を活用すべきである理由を,以下お話していきます。

 

1 ペット事業特有の法的リスクがある

⑴ 生き物を扱うペット事業特有の法的リスク

例えば,生体販売を行うペットショップ,ワンちゃんネコちゃんを預かるペットホテル,トリミングサロン,動物病院,○○カフェ・・等々。

生き物ですから,突然具合が悪くなったり,急に高いところからジャンプして怪我してしまったり,預かっているワンちゃんネコちゃんとケンカして怪我してしまったり,生き物を扱うがゆえのトラブルが避けられません。

これら不可避的に生じるトラブルを未然に防ぐ,或いはトラブルが起きた場合の損害賠償等責任の範囲が適切なものにとどまるようコントロールすることがペットビジネスを運営していくには極めて重要です。

これらのトラブル予防・防止策は顧問弁護士に相談して,契約書書式を作り直す,ヒヤリハット事例を顧問弁護士と共有して契約書や従業員教育に落とし込む,万が一起きてしまったトラブルは直ちに顧問弁護士に相談することで被害を最小限に食い止める。

そのような対応が顧問弁護士を活用することで可能になります。

⑵ 動物関連の特別法に抵触するリスク

ペット事業に関連する法律としては,民法,不正競争防止法,景品表示法,など一般のビジネスで扱う法律だけでなく,

動物愛護法(「動物の愛護及び管理に関する法律),ペットフード安全法などの特別法規,さらには各市区町村のペット関連の条例,さらには,業態によっては,業界団体独自の規格までフォローしなければなりません。

(ex:ペット用品の規格・基準策定について ペット用品の規格・基準策定 一般社団法人日本ペット用品工業会 (jppma.or.jp)

法律の文言はただでさえ難解で,馴染みがないと理解することすらままなりません。

これら法律その他関連法規に抵触しないでビジネスを展開していくには,関連法規迄知り尽くしているペット業界に精通した顧問弁護士を活用していくことが求められる,といえるでしょう。

2 ペットに対する愛情の裏返しで顧客とのトラブルが深刻化しやすい

ペットは「家族の一員」とよく言います。愛犬(愛猫)がトラブルに巻き込まれると,飼い主様は我が子が傷つけられたのと同様に,悲しみ,怒りがこみ上げ,その結果,店・会社側とのトラブルが深刻化しやすい傾向にあります。

仲にはクレーマーと言わざるを得ないケースもありますが,多くの場合は,弁護士が介入し,冷静にお話することで妥当な解決に導けたりするものです。

お客様とのトラブルは,会社代表者或いは担当者が精神的に疲弊しがちで,事業全体に与える影響は計り知れません。

顧問弁護士に交渉窓口になってもらう,内容証明を送ってもらうなど紛争対応の代理人になってもらうことで事業者の皆様は本業に集中できますし,大事な従業員が疲弊せずに済むのです。

 

3 業界全体で法務をおざなりにしがちな傾向があり,業者同士のトラブルも起きやすい

中間がペット事業者様とお付き合いさせていただく中で感じたのは,現実問題みなさん法務まで手が回らない,ということです。

そもそも契約書がない,ネットで適当に拾ってきた契約書で済ませている,従業員との雇用契約書も良く見ていない,といったこともしばしば。

契約書がない,契約内容が曖昧ゆえに取引業者間のトラブルが起きやすい現状があります。

確かに,法務は利益に直結しませんので後回しになりがち。法務人員を雇用するとなると月20万円~の人件費が発生してしまいますので,そこまでコストを掛けられないというのは現実問題やむを得ないのでしょう。

しかし,そういった会社様ほど,顧問弁護士を活用すべきではないでしょうか。いわば法務部のアウトソーシングです。社内で法務要員を抱え込むと月20万超かかるところ,月3万~でしかも法律の専門家である弁護士のサポートを受けることができます。

税理士と同じように,ビジネスのインフラ整備として顧問弁護士を利用してみることをお勧めします。

 

4 飼主のみならず事業者も個人事業主等零細事業者が多く,リスクが顕在化したときに回収が難しい

売掛金が回収できないリスクはペット事業特有の問題ではありません。

しかし,ペット業界は,ペットシッターに代表されるように,個人事業主(或いはそれに近い法人)の方が非常に多い業界でして,キャッシュフローに余裕がない事業主様が比較的多いように思います。

そうなりますと,強制執行等々法的な手段はありながらも,やはり回収困難,とりっぱぐれるリスクが顕在化することが少なくない。

となれば,リスクが顕在化したときに動くのではなく,予防する,という発想が極めて重要です。(「予防法務」といいます)。

契約時の交渉や,契約書の内容をきっちり作り込むことでリスクそのものを減らしましょう,という考え方ですね。

これもやはり顧問弁護士を活用することで得られるメリットといえるでしょう。

以上,ペット事業主が弁護士を活用すべき4つの理由をまとめてみました。いかがでしたでしょうか。

自社の契約書書式で大丈夫か,不安になってきた,という事業主様おられましたら,弊所までお気軽にお問い合わせくださいませ。