作成日:2018年07月25日

これって暴言?モラハラのボーダーラインについて

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テレビでもよく取り上げられるモラハラは、一般的にもよく知られている言葉です。暴言などの言葉の暴力や精神的な暴力も、「モラハラ」という言葉が有名になると同時にクローズアップされるようになりました。しかし、「これってモラハラではないか?」と思っても、モラハラかどうかの境界線はなかなか難しく、判断し難い側面があります。

 

モラハラとは何か。そしてモラハラのボーダーラインとはどこなのか。3つのポイントで解説します。

 

 

ポイント1 モラルハラスメントとはどんな問題なの?


 

 

モラハラとは「モラルハラスメント」の略です。モラルハラスメントとは、言動による精神的な暴力や嫌がらせのことを指します。会社だけでなく、夫婦間などの家族の間でも問題になります。ドメスティックバイオレンス(DV)は主に暴力によるものです。セクシャルハラスメント(セクハラ)は、主に性的な言動によるものです。2つとモラハラの違いを比較して考えてみてください。

 

暴言を吐かれるとすぐに「モラハラ」という言葉と結びつけて考えてしまいがちです。しかし、実は「モラハラ=暴言」というわけではありません。言われた側が暴言として受け取っても、即座にモラハラに該当するわけではないのです。

 

また、「自分の傷つく言葉=モラハラ」でもありません。ですから、傷つく言葉を言われたからといって、即座にモラハラに該当するわけではありません。会話の前後の文脈を考えて判断することが、モラハラなのかどうかを判断する上で重要になります。

 

 

ポイント2 暴言があればモラルハラスメントなの?


 

 

たとえば、普段から言葉が少なく、表現が端的で感情があまり顔に出ない人の場合はどうでしょう。話していて、「違うと思います」と自分の言葉を否定されて、心がズキリと痛んだ場面を想像してみてください。一場面だけ切り取ると、否定的な言葉で心を傷つけられたのだからモラハラではないだろうかと判断するかもしれません。しかし、前後の会話を見ると、印象ががらりと変わるはずです。

 

自分を否定される「違う」という言葉の前に、「Aさんの住所はここで正解ですか?」という言葉を当てはめたとします。この場合も、「違う」という否定的な言葉の印象ががらりと変わってくるはずです。普段から言葉が少ない人や、あまり感情が表に出ない人の場合、言葉が冷たく聞こえるかもしれません。しかし、会話の流れや場面を一続きとしてよく見ることによって、否定的な言葉や強めの言葉でも、モラハラではないと判断することができます。

 

さらに想像してみてください。子供が悪戯をしています。お母さんが悪戯を見て怒ってしまい、思わず「馬鹿!」と怒鳴ってしまいました。「馬鹿」という言葉だけ抜き出せば暴言です。しかし、お母さんは感情の高ぶりで、キツく言ってしまっただけだと捉えることができます。

 

このように、否定的な言葉や罵倒の言葉が即座にモラルハラスメントだと解釈されるわけではありません。モラルハラスメントかどうかを判断するためには、前後の場面や状況をよく考える必要があるのです。

 

 

ポイント3 モラルハラスメントの暴言の具体例


 

 

では、こんな場面ではどうでしょう。夫婦がテレビを見て、番組の感想を話しています。妻は「このドラマが好き」と話しているのですが、夫は「俺は嫌いだ。お前はこんな番組を見ているからその程度の人間なのだ」と答えます。妻も夫も笑顔で話していますが、会話の内容や流れを見ると、前者の例よりも否定的な度合いや、精神のダメージや人格攻撃の度合いが高いと考えられます。

 

さらに、「だからその程度の人間なのだ」という言葉が日常的によく使われていたとします。妻の好きなブランドや好きな本、好きな料理など、ことごとく夫は否定し「だからお前は駄目なのだ」という人格攻撃に繋げてきます。この人格攻撃や妻の好きなものをことごとく否定する言動に妻はずっと耐えていました。

 

モラルハラスメントでは、にこやかに会話しているかどうかはあまり関係ありません。また、言葉や声が柔らかいかどうかもあまり関係ありません「常日頃から継続的に言動で妻(夫)を否定する」「人格攻撃をする」「日常の中で、欠点などをあげつらう」「言動によって常日頃から心を傷つける」などがモラハラのボーダーラインになります。

 

モラハラは暴言によって心や精神を切り裂かれることです。言葉がナイフになるのは、必ずしも乱暴な言葉遣いをした場合だけではありません。柔らかい言葉、そして笑いながらでも、心を切り裂くことだってできます。

 

モラハラのボーダーラインとしては、「継続性」「日常」「人格否定」などが重要なポイントになります。

 

 

最後に


 

 

相手の言葉を暴言だと感じても、即座にモラハラになるわけではありません。言葉に傷ついたから即座にモラハラと判断されるわけでもありません。口下手な人が言葉選びに失敗してしまったり、双方が勘違いして暴言だと受け取ってしまったりすることもあります。前後の会話を考えて判断することが必要です。

 

パートナーの言葉で困惑することがある。精神的に傷つくことがあって悩んでいる。こんな場合は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。相談の中で自分はなぜ傷ついたのか、今後どうしたいのか、方策を探ることで解決することが可能です。